2024年投資見通し
はじめに
どのような見通しにも不確実性はつきものだが、2024年の前途は例年以上に不透明かもしれない。現在、市場が織り込んでいるような、金利が「より高い水準でより長く」維持される環境から、 「より低い水準でより長く」維持されるシナリオに戻る可能性さえある。このように、さまざまな経済・市場の帰結が考えられる。しかし、急速なグローバリゼーションと緊縮財政政策という2010年代の環境とは大きく異なる今日のダイナミズムを勘案すると、後者の可能性は非常に低いと思われる。
つまり、今後10年間は従来の10年間と同じようなものにはならないと考える。金利上昇がリスク・プレミアムに与える影響は、投資家に戦略的資産配分の再考を促すだろう。より戦術的に見れば、現在のところ、当社の「ハウスビュー」は、ポートフォリオにおいてディフェンシブなポジショニングを志向している。これは、市場に織り込まれた楽観的なシナリオと、景気後退とさらなるディスインフレのリスクの高まりに対する懸念を反映している。
金利および資本コストの上昇は、株式市場や最もリスクの高い社債市場にとり難題となるもので、債務不履行の増加やスプレッド・カーブのスティープ化につながる可能性がある。とはいえ、当社では債券の投資妙味が復活したと考えている。現在のハイ・イールド社債の利回りは、過去の株式リターンと同程度である。クレジット・カーブにおいては期間1~7年ゾーンと質の高い社債に注目したい。また、ターム・プレミアムがプラスに転じている現在、デュレーションにも着目している。これは投資適格債の投資ケースを裏付けるものでもある。
一般的に、世界の債券市場には好機があると見ているが、選別的なスタンスが必要である。米国債、欧州中核国の債券市場の一部(英国やドイツなど)、投資適格社債、証券化商品などに注目している。新興国市場では、インドなど「より質の高い」市場にも着目したい。
米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げは、1990年代前半のように、新興国市場のパフォーマンスにとり極めてプラスに働く可能性がある。FRBによる利下げは2024年後半に実施される可能性が高く、その度合いは市場の予想よりも大きくなると思われ、新興国市場(株式または現地通貨建債券)は投資対象として重要な位置を占めるはずである。
当社が留意しているリスクを考慮すると、投資家は金利と株式の相関に過度に依存せず、賢明な分散投資を通じてリスク軽減を図るべきであることを強くお勧めする
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「短期的には、「より高い水準でより長く」という金利のシナリオは、引き続き進行するディスインフレと景気後退の組み合わせにより、困難に陥るリスクがある」
当ページの留意点
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