2023年後半の見通し – シンクロしない状況
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2023年後半の見通しの発表は、米連邦準備理事会(FRB)が1980年代以来最速の利上げサイクルをようやく停止させるという、極めて重要な局面で行われます。この急激な金融引き締めは、信用サイクルの悪化を引き起こしました。現在のマクロ環境と市場環境は、地理的分散と資産分散をめぐる創造的思考を可能にするものです。 |
世界的に景気サイクルが連動しなくなりつつあります。政治情勢の変化と新たな「多極化する世界」が、このプロセスをさらに強めています。経済の先行きは不透明であり、新たな経済体制が生まれつつありあります。投資家は、この新しい環境に適応したポートフォリオを構築するための新しいルールを必要としています。
当社のメインシナリオは、欧米経済が景気後退に転じ、市場が困難で不安定な見通しになるというものです。
見通しのタイトルは「シンクロしない状況」です。その理由は、世界経済と財政および中央銀行政策が現在かい離している状況にあるためです。これはまさに「シンクロしない状況」にあると言えます。
「世界経済」や「株式市場」について一括りに語られますが、それはシンクロしない世界では正しいアプローチではないと考えます。
- 依然として欧米の粘り強いインフレ、金利上昇、金融引き締めの圧力の中で、欧米と新興国はシンクロしていないように見えます。
- 新興国経済は、低いインフレ、中国の再開、米ドル安により引き続き恩恵を受けると考えます。
- 複雑でかい離した経済が、シンクロしない市場を生み出しています。このような環境は、分散投資と相対的アウトパフォームの新たな投資機会があることを意味します。
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新しい環境に新しいルール
世界的に景気サイクルが連動しなくなりつつあります。政治情勢の変化と新たな「多極化する世界」が、このプロセスをさらに強めています。経済の先行きは不透明であり、新たな経済体制が生まれつつあります。投資家は、この新しい環境に適応したポートフォリオを構築するための新しいルールを必要としています。
これまでは、多くの投資家は60/40戦略(株式60%、債券40%の資産配分)に依存してきました。しかし、この配分の将来的なリターン・プロファイルには大きな疑問があり、債券が依然として信頼できる分散効果を提供できるのか疑問符がつく。
新たな分散をどこで探すか
オルタナティブ投資、特に実物資産へのアロケーションも重要な役割を果たすでしょう。また、新興国市場やフロンティア市場に分散投資する機会がかつてないほど広がっています。当社ではこれを「賢明な分散投資」と呼んでいます。これは、投資家が特異な変化を捉えることができることを意味しています。
例えばインドでは、生産性の向上、デジタル化、ハイエンドの製造業、インフラ整備、そして増加する若年人口を軸として、長期的な成長ストーリーが見込まれます。これは、ポートフォリオにテーマ別の資金をどのように振り分けるかという点で興味深い投資機会を生み出しているでしょう。
テーマ投資の可能性を探る
ポートフォリオにおいてテクノロジーなどの主要なメガトレンドに資金を振り分けることも分散投資の源泉となり得ます。重要なのは、テーマ投資特有のハイプ(過度の興奮や誇張)時期を見極め、資本に内在するリスクを回避するため、体系的かつ規律あるアプローチを取ることです。
2023年後半の見通し
シンクロしない状況
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