2024年度 インド国家予算案概要
2024年02月13日
予算案の内容
- 本年2月、シタラマン財務相は予算案を発表しました。財務大⾂は過去10年間の政府の成果を強調するため、GDPの重要性を改めて示しました。予算案を議会提出した際の演説にて最初の20分間、財務大⾂は「ガバナンス、開発、パフォーマンス」の言葉を繰り返しました。演説において、過去10年に亘り経済のあらゆる分野にて達成した「記念碑的」な成果を改めて示しました。
国民中心のインクルーシブな発展
- あらゆる形態のインフラ(「物的インフラ」、「デジタルインフラ」、「社会インフラ」)の大幅な開発
- デジタル公共インフラ(DPI):(経済などの)公正化と金融包摂を促進した
- 物品サービス税(GST)を介した税収基盤の厚みの強化と裾野拡大
- 金融セクターの強化が貯蓄、与信、そして投資を正しい軌道に戻した
- グジャラート国際金融テック(GIFT)シティーの国際金融サービスセンター(IFSC):インド経済が海外資本と金融サービスを獲得・確立するための玄関口
- 積極的なインフレ対応
- 全国各地が経済成長に積極的に関与する当事者になりつつある
ガリブ・カリヤン、デシュ・カ・カリヤン(Garib Kalyan, Desh ka Kalyan、貧困層の福利は国家の福利)
- 直接現金給付(DBT)により2.7兆インドルピーの貯蓄が実現
- 2億5,000万人が多次元貧困から脱却した
- PM-SVANidhi(露天商向け特別少額貸付制度)のもと780万人の露天商に対して金融支援
インド経済の底堅い推移
- 向こう5年はかつてない成長を実現する見通し
- 政府は、インド東部にインドの成長をけん引する存在になってもらいたいと考えている
- PM-SVANidhi(露天商向け特別少額貸付制度)のもと780万人の露天商に対して金融支援
- この10年で2億2,000万件余りのムドラ・ローン(ノンバンク等を通じた零細事業者向けローン)が実行された
農家の福利 - アナダタ(Annadata、農家)
- PM-KISAN(農家への現金給付策)のもとでの1億1,800万人の農家への直接金融支援
- PM Fasal Bima Yojana(作物保険制度)のもとでの4,000万人の農家への作物保険
- e-NAM(電子国営農業市場)のもと1,361の市場を統合し、3兆インドルピーにのぼる取引高を支援
- 政府は収穫後の期間を活用して民間・公共投資を促進させる
- 有機肥料であるNano-DAPの散布をすべての農業区域に拡大する
- 油糧種子産業の自立を目的とするAtmanirbhar Oilseeds Abhiyaan戦略を策定する方針
- 酪農の発展を目的とする包括的な計画を策定する方針
- Pradhan Mantri Matsaya Sampada Yojana(漁業セクター発展のためのスキーム)の実施を強化し、水産養殖の生産性向上、輸出倍増、雇用機会の一段の創出を目指す
- 5つの総合アクアパークを設立する計画
ヘルスケア
- 女子(9~14歳)に対する子宮頸がんワクチン接種の奨励
- 栄養管理、保育、子供の発達のためにSaksham Anganwadi and Poshan 2.0(総合栄養サポートプログラム)を促進する方針
- Mission Indradhanush(特定の地域に住むワクチン未接種または部分接種の2歳未満の幼児に対するワクチン接種の推進活動)における予防接種の取り組みのためのU-WINプラットフォームを本格展開する予定
- Ayushman Bharat(長寿化インド計画)に基づく健康保険の対象をすべてのアシャ(公認社会保健活動家)、アンガンワディ(農村部の育児センター)職員とヘルパーに広げる方針
住宅
- Pradhan Mantri Awas Yojana-Grameen(都市部貧困層向けに手ごろな住宅を供給することを目的としたスキーム)は目標としていた住宅3,000万戸をほぼ達成、向こう5年でさらに2,000万戸が目標
- 中間層向け住宅スキームを実施し、中間層による持ち家の購入・建築を促進する方針
失業率の低下
若者支援
- Skill India Mission(職業訓練政策)のもと1,400万人の若者に訓練を提供
- 若者の起業意欲の促進 - PM Mudra Yojana(小規模・零細企業向け優遇融資を提供するための政策)のもと4億3,000万件のローンが認められた
女性支援
- 女性起業家に3億件のMudra Yojana(小規模・零細企業向け融資)を実行
- 女性の高等教育機関への進学を10年で28%増やした
- STEM(科学・技術・工学・数学)コースへの入学に占める女性の割合は43%
- 女性がラクパティ・ディディ(Lakhpati Didi、豊かな姉妹)になれるよう830万の自助グループが1,000万人の女性を支援
デジタル取引の増加
インフラと投資
- PM Gati Shakti(国家インフラ開発計画)のもと3大鉄道回廊の整備計画の実行 - 物流の効率性改善とコスト削減が目標
- 交渉予定の二国間投資協定を介した対内投資の促進
- UDAN(地域空港開発計画)のもとでの既存の空港の拡張と新空港の総合開発
- 地下鉄とNamo Bharat(高速通勤電車)を介した都市改造の促進
観光
- 各州に、企業を呼び込み地元での起業機会を促進するための象徴的な観光スポットの開発を促す方針
- 開発を促すために長期無利子融資を各州に供与する予定
- ラクシャドウィープなどの島において港湾へのアクセス、観光インフラ、施設に関するプロジェクトに着手する予定
大規模スキームへの資金配分(単位:千万インドルピー)
税制改革の成果
- 直接税の徴収がこの10年で3倍以上に増加した
- 税務申告者が2.4倍に膨れ上がった
- 迅速な還付:申告書の平均処理日数が(2013年度の)93日から(2023年度の)10日に短縮
- 2023年度、GST総徴収額の月間平均は1兆6,600億インドルピーに倍増した
- 国家の歳入における税収弾性値が0.72(2011年度-15年度)から、GST導入効果もあり1.22(2016年度-22年度)に上昇
- GSTに対する好意的な受け止め(以下は、ある大手コンサルティング会社が実施した調査によるもの)
① 産業界のリーダーの94%がGSTへの移行を概ね前向きに捉えている
② 回答者の80%が、GSTはサプライチェーンの最適化をもたらしたと感じている - 税制の連続性:政府系投資ファンド・年金基金による投資、およびスタートアップ企業に対する一定の税制優遇、一部のIFSC(国際金融サービスセンター)入居事業者に対する免税措置の延長(2024年3月31日から2025年3月31日までに延長)
- 未納の直接税に対する督促の撤回:
2009年度までについては最大25,000インドルピー、2010-14年度については最大10,000インドルピー
今後約1,000万人の納税者が恩恵を受ける見込み - 従来と同様の税率維持:
① 直接税と輸入関税を含む間接税
② 法人税率 - 既存の国内企業は22%、一部の新規製造企業は15%
③ 新税制のもとでは所得が70万インドルピー以下の納税者は非課税
2070年までに「ネット・ゼロ」を達成するための取り組み
- 風力エネルギーに向けての建設コストの一部を政府が負担するバイアビリティ・ギャップ・ファンディング(Viability gap funding、VGF)
- 石炭のガス化・液化能力の確立
- CNG(自動車用の圧縮天然ガス)とPNG(家庭用の都市ガス)への圧縮バイオガスの混合の段階的な義務化
- バイオマス発電機調達向けの金融支援
- 国内照明プロジェクトであるUJALAスキームのもと3億6,900万個のLED電球、722万本のLED蛍光灯、236万台のエネルギー効率の優れた扇風機を支給
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