エネルギー集約型セクターへの依存度が高い経済圏であるエマージング市場では、世界的な炭素排出量抑制の競争で不利な立場に立たされる可能性があります。

したがって、当社は、持続可能な未来に資金供給するという当社の目標が、誓約を掲げるだけでなく、実際に社会で実現されることやその影響について、ますます重要視しています。このように将来的にネットゼロを達成するには、投資資金を引き揚げるのではなく、いかに脱炭素化を推進できるかにかかっていると考えています。経済の性質上、移行が容易でない、あるいは移行に時間がかかる可能性のある国だとしても、お客様と協力して変革を進めることが求められています。

当社は、今日では最大の排出源であるものの、経済成長を支えるために不可欠なサービス・製品を提供する業界に対して資金を提供することが、世界全体でのネットゼロ達成において重要であるという点を認識しています。

例えば、当社のエマージング市場での長年の経験と丹念な調査を活かして、影響を受けるステークホルダーを特定したり、エネルギーの生産と使用を網羅した移行計画を立てるよう企業に促しています。

地域、セクター、活動に必要な資本を振り向けることは、お客様の投資目標を確実に達成することと同様に、資産運用会社としての使命です。当社は、気候変動の影響を受けやすい人々へのリスクを軽減しつつ、価値を創造することを目指しています。当社は、エマージング市場の投資家として、気候が最も重要となる地域、セクター、国、そしてイノベーションと価値創造の機会がまだ発展途上にある国に資本を振り向けることができます。

また、当社は、ネットゼロにおいて重要な役割を果たす新しい価値ある資産クラス、すなわち自然を基盤とした資産や大気から炭素を除去する資産の開発を支援しています。このような炭素除去プロジェクトは、生物多様性を支援するなど、数多くのプラスの影響をもたらすとみられています。当社の意図するところは、資金を再びエマージング市場に振り向けるとともに、高インパクト、高品質のカーボンクレジットの長期的供給を目指す自然を基盤としたプロジェクトを追求することで、経済的損失と損害を軽減することです。これらの取り組みは、持続可能性のみならず、レジリエンスの強化につながります。

上記の例は、当社の投資プロセスを通じた差別化の一例です。企業をリサーチし、その経営陣と対話することで、お客様が投資を通じて、地域社会にプラスの影響を与え、事業の成長を下支えするとともに、公正な移行へ参画することを支援します。