なるほど新興国 2023年11月
2023年11月06日
要点
- グローバルの投資環境は、米国の金融引き締め長期化への警戒感や中東情勢の緊迫化に伴う投資家心理の悪化が、足元の新興国株式および債券に影響を及ぼしています
- 本年年初来では新興国株式および債券への資金フローは、先進国と比較して良好な新興国のマクロ環境を背景に流入超に転じています
- ブラジル： 2023年4-6月期のGDPは前年同期比＋3.4％となり、前期に続き再び市場予想を上回りました。 安定しているインフレ率を受けて、今後も段階的な利下げが見込まれ、HSBCは2024年末の政策金利を8.5％と予想*しています
- インド： モディ首相の圧倒的な支持率を背景に、モディ政権は3期目に突入すると見込まれています。2023年9月、JPモルガンは新興国債券指数へのインド国債の組み入れを発表しました。2024年6月28日に組み入れを開始し、2025年3月31日まで行われる予定です
- 株式市場の長期展望：世界的に株式市場がシンクロしていない中で、選別投資が重要 。欧米ではこれまでの積極的な金融引き締めが景気後退を招くと考えます。ディフェンシブなアプローチが賢明と言えます。先進国市場では企業業績に下振れリスクがあるうえ、景気後退の際には大幅な下落が見られる可能性があります。新興国市場の見通しは良好なマクロ環境を背景にポジティブに見ています。
- 債券市場の長期展望：現地通貨建新興国債券の投資魅力は相対的に高い。欧米の中央銀行による物価重視の姿勢は当面続くと見られ、短期的に先進国国債は下落（利回りは上昇）する可能性があります。現地通貨建新興国国債は、インフレ鈍化傾向に伴い新興国にて金融緩和への政策転換が期待されていることが好材料です
＊HSBCグローバル・リサーチの予想、2023年10月11日時点
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